果汁100%」表示の基準

                                                2005.8.27朝日新聞より

  香りや甘みの添加OK

   「果汁100%であっても、酸化防止剤や香料が入っている場合があります。果汁の作り方と関連があります」
                                                  (社団法人日本果汁協会)

   果物から果汁を搾るとき、リンゴやモモなどは、そのままでは空気に触れて色が悪くなってしまう。是を防ぐた
  め、ビタミンCなど、酸化防止剤の使用が認められています。
  では、香料は? 果汁には、搾ったままを使う「
ストレート」と、いったん水分を飛ばして(濃縮)、後から水分を
  戻して(還元)使う「濃縮還元」の2種類がある。濃縮還元の場合、水分を蒸発させる過程で、香り成分がとんで
  しまう。そこで水分を戻す時に、この成分も加えて香りをつける。「元々、果汁に含まれているものですから、
  使っても果汁100%とみなすのです」
  商品には、違いが分かるよう「ストレート」「濃縮還元」と表示することがJAS法に基ずく品質表示基準で定めら
  れている。また、
甘みの調整のため、濃縮還元果汁に5%以下の糖類やはちみつを加えた場合でも、
  
果汁100%と認められるが、「加糖」と表示しなくてはならないことになっている。


  安価な濃縮還元が主流

   「
日本で飲まれている100%ジュースは、濃縮還元がほとんど。ストレート果汁はその10分の1程度しかあり
  ません
」(キリン・トロピカーナ)
  ストレートは味や香りに優れているが、値段が高いからだ。
  オレンジの場合、米国・フロリダとブラジルが2大産地。同社では、収穫後24時間以内に果汁を搾る。「1gの
  ジュースは果実10個分です」。ストレートは、すぐに冷凍し日本へ。
   濃縮還元は、工場のタンク内で、なるべく風味を変化させないように減圧して沸点を下げ、低い温度で水分を
  蒸発させる。5分の1に濃縮して凍結。日本に運んで元の濃度にし、容器に詰める。かさが減る分、輸送や保存
  の効率がいいので、ストレート果汁より低価格の商品をつくれるそうだ。
   独立行政法人・農林水産消費技術センターは7月から、100%ジュースを対象に、中身の調査を始めた。「

  ュースを選ぶときに消費者は100%かどうかを重視している
。それだけに、表示の正しさに疑問の声もあるので」
  と同センター。
   オレンジ、リンゴ、グレープフルーツ、ブドウの4種類、約300点を購入、商品に含まれる炭素、窒素分、灰分
  を分析する。果汁100%であれば、こうした値は果実ごとにほぼ一定なので、「本物」かどうかが分かる。不正な
  表示の疑いがある商品は、農林水産省と協議して、業者に確認調査をすることにしている。

   業界の取り決めで、100%ジュース以外は、パッケージに「果実から落ちる果汁のしずく」「輪切りの果実」といっ
  た絵を入れることは禁止されている。「こうした表現は100%のイメージが強く、そうでない商品が使うと消費者
  の誤解を招く」というのが理由。ルールはわかりにくい。行政や業界はもっと積極的に説明してもいいのでは?